FCバルセロナでタトゥー好きといえばネイマールやダニエウ・アウヴェスがまず思い浮かぶが、実はあのメッシもかなりのタトゥー好きである。現在、メッシの右腕の大部分は複数のタトゥーで覆われており、その一つ一つに彼なりの意味があるようだ。
メッシのタトゥーを担当しているのはアルゼンチンの彫師ロベルト・ロペスさん。ロベルトさんは世界各国のタトゥーコンテストで何度も入賞しているほどの実績を持ち、アルゼンチンでは知る人ぞ知るタトゥーアーティストだ。メッシにタトゥーを入れるときにはわざわざアルゼンチンのマル・デル・プラタからスペイン、バルセロナまで出張する。そこまでしてもメッシは彼にお願いしたいのだという。
「有名な人たちはみんな誰かの推薦で連絡を取って来ます。彼らが私を選ぶのは私が口が堅いからでしょう。私はお客さんの話したことなどは許可なく一切口外したりしないので」。
気になるのはロベルトさんがメッシの右腕に彫った複数のタトゥーの意味だ。まず、肘に描かれているのはバルセロナの象徴でもあるサグラダファミリアの「ステンドグラス」。これはメッシのバルセロナの街に対する愛着を表しているという。また、「時計」は儚い時間の経過を意味し、「蓮華」はとても美しい花なのに一風変わった場所に咲く習性があることから、自分の生い立ちに置き換えているという。さらに「南米の地図」の中に「ロサリオの地図」が描かれた絵は自分のルーツであるアルゼンチンのロサリオを忘れないためだ。
メッシの腕にはこのように自分の大切なものや哲学がたくさん詰まっているのだった。一時は移籍などが騒がれた時期もあったが、サグラダファミリアを自分の腕に刻んだのはどこに行ってもバルセロナのことを忘れないためである。メッシは実は誰よりもバルサを愛し、バルサと共に生きている男だったのだ。
ちなみにメッシには右腕意外にも右肩、背中、足にタトゥーがあり、それぞれイエス・キリスト、母親の顔、息子の名前と両手が刻まれている。