FCバルセロナは11日、セビージャとアウェイで対戦し、2対2の引き分けに終わった。2点のリードを奪いながら、後半38分に同点に追いつかれたバルサ。目の前にあった勝ち星を取りこぼしたような結果にサポーターやメディアからは批判も挙がっている。
批判が挙がった一つの理由はこの日、大活躍だったネイマールを後半28分で交代させたルイス・エンリケ監督の采配に対する疑問だ。バルサは前半14分、ペナルティーエリア内でパスを受けたメッシが弧を描く芸術的シュートでゴールを奪ったが、ラストパスを送ったのはネイマールだった。続く前半32分、ペナルティーエリア付近でFKを得た場面ではネイマールが直接シュートを決め加点した。つまり全得点に絡んだのだ。ほかにもスアレスへのワンツーパスや相手DFを股抜きで抜き去るなど、この日ネイマールは絶好のチャンスを何度も演出した。
それにも関わらずネイマールはまたしても終盤シャビとの交代を言い渡された。これまで幾度となく交代させられる度に怒りを露にしてきたネイマールもこの日は怒りを通り越して理解できないといった表情と仕草を見せた。理解に苦しんだのは何もネイマール本人だけじゃなかった。
バルサのホルディ・メストレ副会長は「あんなにいいプレーをして、ゴールも決めたのにネイマールが交代した理由が理解できない」と異例のコメントを出した。その一方で「もちろん監督にはそれなりの理由があるのだろう」と擁護した。
これに対し、スポーツチャンネルのESPNは、「ネイマールはバルサで使い捨てにされている」と題した記事を公開。その理由にルイス・エンリケ監督が就任した今シーズンからすでにネイマールが34試合にスタメン出場し、14回も途中交代させられている現状を伝えた。これに対し、メッシは過去6シーズンでわずか15回した交代させられていない。今シーズンにおいてはメッシの途中交代はわずか1回だけだ。
もちろんメッシとネイマールではクラブ内での立ち位置が違うのは周知の事実だ。では今シーズンから加入したスアレスはどうだろうか。スアレスは今シーズン30試合にスタメン出場し、途中交代は10回。ネイマールがスタメン出場した試合の約41%は途中交代させられているのに対し、スアレスの途中交代の割合は約33%にとどまっている。この数字からもルイス・エンリケ監督はネイマールよりもスアレスのほうを高く評価していると言えなくもない。果たしてこの現状は今後どう変わっていくのだろうか。