ネイマールは数年前からNPO団体「Instituto Projeto Neymar Jr.」を通じて、総合教育スポーツ施設の建設を進めている。同施設はネイマールが幼少期を過ごした思い出の地、サンパウロ州ジャルジン・グロリア市に建設中で敷地面積は8400㎡。2300人の子供たちがここでサッカーをはじめとする様々なスポーツやレクリエーションを楽しむ計画だ。
建設費や活動費はネイマール本人を始め、企業のスポンサーフィーや個人の寄付でまかなわれる。対象となるのは7歳から14歳の恵まれない子供たちで、子供たちは学校のない時間帯に同施設に通い、また付き添いの家族向けにもスポーツジムや様々なアクティビティが用意されている。施設内にはサッカー場はもちろん、プール、体育館、食堂、講堂、ミーティングルームなどが完備。サッカーやバレーボールといった球技のほかにも柔道の練習も行われる。また、スポーツ以外にも語学、ダンス、パソコンの教室も開かれる予定だ。
では一体なぜネイマールがこうした施設を開設することに至ったのか。それはネイマールがこの地域をよく知り、幼少時代の同年代の友人たちの多くが自分と同じようなチャンスに恵まれずにやりたいスポーツにも打ち込めなかった現実を見てきたからだ。ネイマールが子供頃、彼の側には常に一番の理解者である父親がいた。ブラジルでは子供にサッカーを続けさせるためには高い月謝を払ったり、練習場までの送り迎えをしたりと、なにかと両親に負担がかかる。それができない子供たちはサッカーを辞めていったり、また目標を失い非行に走ったりすることは珍しくない。そんな子供たち、両親たちをサポートするためにオープンするのがこの施設なのだ。ネイマールは同施設を「自分の夢だ」と話している。サッカー以外の彼の夢が今こうして現実のものとなろうとしている。