元ブラジル代表の10番であり、鹿島アントラーズでもプレーしたレオナルドがブラジルのTV局のインタビューに応じ、ネイマールを始め、ブラジルサッカーについてコメントした。
レオナルドは選手を引退後、ACミラン、インテルで監督を務めるなど長年欧州で活動してきた。そんな欧州のサッカーをよく知る彼が、ブラジルサッカーの現状について次のように語った。
「我々はマーケットに進出していくために新しい構造を作らないといけない。ブラジルはマーケットの外にいるんだ。ちゃんとやればブラジルでだって(米バスケットボールリーグ)NBAのようなリーグを作れる。ネイマールをブラジルを引き止めるにはいくらかかるだろうか?彼の影響力を考えれば(いくら払っても)大した額じゃないんだ。もしブラジル国内でいい大会が開催できればそもそも欧州の市場と競う必要がなくなる。
NBAはどこの国のリーグとも競っていない。世界中で成功しているから。それはクオリティーが高いからなんだ。ブラジルリーグは世界のどこの国でも放送されない、インターネットですら見ることができない。なぜなら市場で知られていないプロダクトだからだ。試合はつまらないし、ブラジル選手権のことをブラジレイロンなんて言ったりするけど、外国人には理解もできないし、発音すらできない。これじゃあ海外では売れないんだ」
また、ネイマールについてレオナルドはこう話した。
「ネイマールは(インタビューで)ブラジルの練習量は少ないなんて言ってたけど、22歳になって初めてそのことに気づいたんだ。もし18歳のときに知ってたらどうなってただろうか。
ネイマールは今とは違った戦術眼があれば、本物の10番になれる。最近、彼は二列目でプレーしているときは、とてもテクニカルだ。まだ時間もあるし、完全なクラッキ(名選手)にもなれる。ただ、本当だったらもうなっていてもおかしくないんだ。戦術的にブラジルはとても遅れている。チアゴ・シウバがディフェンスを覚えたのは欧州でだ。昔はただフィジカルが強いだけの選手だった。だけどベストなディフェンダーになったのは海外でだ。
ブラジルでは選手たちはサッカーをするのを覚えるだけで、試合の運び方は覚えないんだ。サッカーが上手いというのと戦術を理解しているというのは違う。ドイツはいい選手もいて、戦術もある。イタリアは2006年ワールドカップで戦術だけで優勝できた。(チームの)得点王がディフェンダーのマルコ・マテラッツィだったぐらいだからね。彼らのようにブラジルもチームとして組織されていないといけない。そのためにはネイマールはチームの基盤になるだけでは足りないんだ」。
また、レオナルドは7対1の大敗に終わったドイツ戦について、「1試合だけを批判することはしたくない。でもドイツがボールの離れ際を狙ってプレッシャーをかけてくることは誰もが分かっていたこと。それは事前に書いてあったようなことなんだ。もしイタリアの監督だったら、ダヴィド・ルイスに前線にボールを出すように指示して、他の選手たちにもっと上がるように命じていたはずだ。ドイツはブラジルより優れていたんだから、普通にプレーしてはダメなんだ。」とコメントした。
さらに、ブラジル代表における外国人監督の起用については、「反対はしないけど、絶対に必要ということではない。(チェルシーの)モウリーニョや(バイエルン)のグアルディオラならいいと思う。外国人だからではなく、彼らはベストの監督だからだ」と指摘した。