ルイス・スアレスの膝を治したドクターは癌だった

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グループリーグ初戦でコスタリカに敗れ、意気消沈していたウルグアイを復活させた男、ルイス・スアレス。イギリス戦で気迫あふれるプレーを連発し、2得点を挙げた勝利の立役者の成功の陰に一人の名医がいたのをご存じだろうか。それもそのドクターはなんと癌に侵されていたのだ。

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スアレスが膝を怪我したのは5月下旬のこと。ウルグアイ代表合宿の練習中に左膝に痛みを覚え、急遽手術が行われることになった。しかし翌月にワールドカップ本番を迎えることを考えると、この時期に手術をしたところで出場できるかどうかは微妙なところだった。しかしスアレスは自分の回復力、周囲のサポート、なによりリハビリドクターの治療を信じた。そして出場がまだ危ぶまれていた手術直後にこう言ったのだ。

「みんなのサポートと応援には感謝してる。みんなからもらう愛と元気はとても強力で、ワールドカップに出るために一生懸命頑張ろうと思えるよ。心配しないで、絶対に間に合うから」。

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スアレスのリハビリを担当したドクターはウォルテル・フェレイラだ。62歳になる名医にとって最優先事項はチームの攻撃の要であるスアレスの膝をなんとしてでも一刻も早く治すことだった。そのためには様々なことを犠牲にしなくてはならなかった。そう、自分の体ですらも。実はこのときウォルテル・フェレイラは悪性リンパ腫の一種のホジキンリンパ腫を患っていたのだ。ホジキンリンパ腫は白血球の中のリンパ球が悪性化したがんであり、治療には放射線治療が用いられることが多い。しかしウォルテル・フェレイラはスアレスのリハビリに専念するために、この治療を自らストップしたのだった。

手術直後、10日から12日で復帰できると報道されていたが、初戦には間に合わなかった。イギリス戦の直前になっても、スアレスは膝にまだ不安はあったものの、初戦を落としたウルグアイにとってはもう後がなかった。そして迎えた本番、スアレスは水を得た魚のようにピッチを縦横無尽に走り回った。2ゴールを挙げる文句なしの活躍を見せ、ウルグアイに希望の光を刺した。

ウルグアイ対イングランド戦のハイライト動画

試合後、スアレスはヒーローインタビューで、「ウォルテル・フェレイラがいなければ、今日僕はここにいないよ。90%彼のおかげさ。彼こそが僕がプレーすることを可能にしたんだ。彼とは一緒にたくさん涙を流したよ。とてもつらい時期があったんだ。でも彼が犠牲を払ってくれて、いつも僕の側にいてくれたんだ」と語っている。ヒーローインタビューで選手がドクターの名前を出すのは異例のことだった。しかし出さずにはいられなかったのだろう。ウォルテル・フェレイラが文字通り身を削ってウルグアイに勝利をもたらしたのだから。

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