ブラジルワールドカップ予選リーグ第2戦目の日本対ギリシャ戦を見たジーコがブラジルのTV番組に出演し、日本代表の闘いぶりに言及した。
ジーコは2009年から10年までギリシャのオリンピアコスFCで監督をしていたこともあるが、日本対ギリシャ戦は日本を応援した。惜しくも0対0の引き分けに終わった試合については、「日本は自分たちの良さを出せなかった。」と振り返った。
「日本は自分たちの特徴を活かしきれなかった。チャンスはいくらでもあった。相手は強いチームで、ディフェンス力もあったし、身長もあった。理解できなかったのは、日本がどうしていつも空中戦ばかりで勝負していたのかということ。2005年のコンフェデレーションズカップの(ジーコが監督だった)ときにも日本はギリシャと戦った。そのときギリシャはユーロカップを制したばかりで、とても強敵だった。試合前に彼らに言ったことは勝つ術はひとつしかない。速いパス回しで相手を近づかせないこと。ファウルやコーナーキックやスローインなどのプレーには空中戦になるから気を付けろと。それをやったから勝てたんだ。今日の試合では日本はドリブルに自信がないように見えた。」
また、ジーコはギリシャ代表のコンスタンティノス・ミトログルやヨアンニス・フェトファツィディスといった選手も指導したとしたうえで、「彼らがギリシャ代表でプレーしているのを見てとても嬉しかった。」としたものの、「日本代表では数年前に4人の選手を指導した。日本を応援したんだけれど、身長が高くないのに、あの攻め方をしてたのにはがっかりだったよ。日本は欧州のチームとはいつも速いパスまわしでいい勝負してきただけにね。ああいう日本を見るのは好きじゃない」と正直な気持ちを明かした。次のコロンビア戦については、「コロンビアのプレーを見る限り日本は難しいと思う」と答えた。
話が日本サポーターがスタジアムを掃除したことに及ぶと、「日本では普通のことで、私もそれを習慣にしたよ。スタジアムの(清掃員などの)スタッフたちはとても重要な人たちなんだ。例えばカタールでは選手たちは試合が終わったあとに飲物とかをコートのそこら中にばらまいていったけど、それを私とかエドゥーコーチとかで一緒に拾っていたら、なんで監督がそんなことをするんだって言われたんだ。だけどそれは日本で学んだことなんだ。もし鹿島アントラーズの選手が試合をしたら、ロッカールームを選手みんながきれいにして出ていくよ。まるで試合がなかったみたいにね。選手たちが自分で全部やるんだよ。それが彼らの文化なんだよ。だからそれを私も覚えたんだ、教育として、また本能としてね。」と、現在では自分も実践していると話した。