ワールドカップ開幕戦のブラジルの対戦相手となるクロアチア。完全アウェイの中、彼らは一体どんなプレーを見せるのか。また、ブラジルの中心選手であるネイマールをどのように警戒しているのか。選手と監督が明らかにした。
ブラジル戦でネイマールをマークすることになる、クロアチア代表の右サイドバック、ダリヨ・スルナは、「人々がサッカーを観戦するのが好きなのはダークホースが勝つときがあるからだ。小国クロアチアの私たちは世界最高の選手がいるチームを相手に奇跡を起こしてみせる。ネイマールだって普通の人間だ。私もそうだ。彼をマークするのは私だけじゃなく、ほかの選手たちだって彼を止めに入るから問題ない」と、全員で守ると断言している。そのうえで、「私たちは格好いいからW杯に出場するわけじゃない。いいチームだからだ。ボールが丸いのは誰にとっても同じこと」とブラジルにも決して臆さないと約束した。
一方のニコ・コヴァチ監督はブラジルに対してある因縁がある。それはニコ・コヴァチ監督が選手だった2006年、ドイツW杯でブラジルと対戦し、敗れているからだ。そんなニコ・コヴァチ監督はネイマールについて、「ネイマールは偉大な選手で、ブラジル最高の選手。ビッグクラブでプレーしているし、リスペクトしている。ただ、ブラジルはベンチの選手でさえ、試合を決定づけるようなウィリアンのような選手がいる」と警戒しているのはネイマールだけではないとした。そのうえで、「2006年W杯ではロナウジーニョやカカーを相手にプレーした。1対0で負けはしたが接戦だった。今回もなにが起こっても不思議ではない」と可能性は捨てていない。
「ネイマールは世界トップ3に入る選手。ただ、ブラジルはネイマールだけじゃなく、ほかにもいろんないい選手がいる。それはクロアチアも同じこと。クロアチアにだって世界クラスの選手がいるんだ。ブラジルのスコラーリ監督だってクロアチア戦のことを考えたら眠気が覚めるんじゃないだろうか。」
具体的な戦い方について、ニコ・コヴァチ監督は「失点を抑えることが大事で、ボールポゼッションで上回りたい。そうすればブラジルはゴールを挙げられなくなるから。ブラジルはあまりボールを奪いに行くのが好きなチームではないので、うちはしっかりマークして、しっかりボールをキープできたらいい。ブラジルが最初に失点する形でプレーする場面を見てみたいよ。ブラジルはこれまでいつも先制点を決めてきたからね」と、ボール支配率と失点の回避を重要視した。また、ニコ・コヴァチ監督は「時間が経てば経つほどサポーターがイライラしてきて、選手たちもナーバスになってくる。ラインをコンパクトにして、自分たちのプレーをすれば、ブラジルの得点を防げるだろう」と予想している。
その一方でニコ・コヴァチ監督は現実的な目標を「予選グループ2位通過」とし、「ブラジルで頑張れば次の試合につながっていく。勝ち点1か3が取れるようにサプライズを起こしたい。そのためには最後の1秒まであきらめずにやるだけだ。このチームは歴史的な結果を残せるチームだ」と自信を示した。