ワールドカップ開幕戦を翌日に控えた11日(ブラジル時間)、ネイマールがフェリペ・スコラーリ監督と共に記者会見に応じた。
クロアチアとの開幕戦に向けてネイマールは、「できるだけ早く時間が経ってほしい。ワクワクしていて不安もあるけど、準備はできている。最高の形でチームに貢献できたら、そしてブラジル国民の夢を叶えられたらいい」と闘志を燃やした。また、サポーターの後押しについて、「ブラジルのサポーターは12番目の選手じゃなくて、ブラジルの中心選手。もしサポーターが100%の状態なら、うちに勝つのは難しいと思う」とサポーターの応援の大切さを口にした。
エースナンバー10番を付けてのプレーについては、「偉大な選手たちがつけてきた背番号を着れるのは光栄なこと。開幕戦のシャツはお母さんにプレゼントしようと思う」と母親思いの一面を見せた。
これまで代表合宿が開始されてからというものフェリペ・スコラーリ監督は毎日のようにインタビューに応じてきた。しかしこの日ばかりはネイマールを中心に質問が飛び交い、フェリペ・スコラーリ監督も聞き役に回るなどの配慮を見せた。そんなフェリペ・スコラーリ監督にネイマールは、「先生、僕は明日試合に出るんですか」と質問。これに対し、フェリペ・スコラーリ監督は「考えておくよ」と冗談交じりに答え、「ネイマールは(今夜)心配せずに眠ってもらって構わない」と名言は避けた。主力のネイマールがベンチスタートになることはまずないだろう。しかしあくまでも本人がチームの一員であるという認識を持っていることが伺える瞬間だった。フェリペ・スコラーリ監督もネイマールを特別視しているのはもはや明らかだが、それをあえて口に出さないところもにくい。それどころか「ネイマールはグループの一人にすぎない。ただクラッキであるゆえに彼の存在は試合を左右する。かといって特別な扱いは必要ない」とまで言う。
開幕戦でネイマールにゴールが期待されていることについては、「お前が決めなくてもいいからね。アシストしてくれれば十分だから」とフェリペ・監督がネイマールに助言すると、ネイマールは「でも決めれたら、それはそれでいいでしょ?」と返すなど、終始会話は二人の関係の良さを象徴するものとなった。
そんな監督に対し、ネイマールは次のように語っている。
「毎日フェリポン(監督の呼び名)と練習できることに感謝している。監督のことはいつも勝者のように見てきた。いつだって彼が言うこと、することを最大限吸収しようとしてきた。プロとしてだけでなく、人間としても彼からできるだけ経験を得たいんだ」。