ワールドカップに向けブラジル代表のメンバーは26日、リオデジャネイロで合同合宿を開始。ところがリオデジャネイロの国際空港、宿泊先のホテル、練習場の周辺に待ち構えていたのはサポーターではなく怒りに満ちた多くのデモ隊だった。
ブラジルサッカー連盟(CBF)のトレーニングセンターに続く通りではリオデジャネイロ州の教員らが賃金の値上げなどを訴えて行進した。デモに参加した人たちは「ブラジル、目を覚ませ。教員はネイマールより給料が安い」などの叫び声を上げた。
また、ブラジル代表の宿泊先のホテルの前にもデモ隊が集結。選手たちが出てくるや否や罵声を浴びせ、バスに抗議のシールを張るなどして警備に当たっていた警官たちに抑えられる事態となった。
「ワールドカップは開催されなくていい。健康と教育にもっとお金をかけろ。教育はネイマールよりも価値がある」。
デモ隊の中からこんな叫び声も挙がった。国を挙げてのお祭りとなるはずだったワールドカップ。ブラジル人にとっては何ものにも代えがたいスポーツの祭典が自国開催を機にそのイメージを変えようとしている。大会前から国民から応援どころかこれだけ非難を浴びるブラジル代表が過去にあっただろうか。まさに逆境の中、ブラジル代表は本番に臨むことになる。