ネイマールが昨年6月上旬にFCバルセロナに移籍してから早11か月になろうとしている。この間、ネイマールは生活の拠点をブラジルからスペインに移し、自分の息子と離ればなれになりながらの暮らしの中で新しい国に順応しようと奮起した。プライベートでは恋人との破局もあった。チームでは怪我を乗り越え、レギュラーを勝ち取り、数々のゴールを決め、そしてまた怪我をした。若干22歳のネイマールにとってこれだけ色々な変化があった1年は初めてだろう。ネイマールにとってどんなファーストシーズンだったのか、彼のコメントと共に振り返ってみる。
26日のバルサの練習場にネイマールの姿はなかった。ネイマールは現在左足の負傷でリハビリ中だからだ。ドクターがネイマールに下した診断は全治4週間。その言葉通りなら5月18日に行われる今季ラストマッチ対アトレティコ・マドリード戦の出場は絶望的だ。
振り返ると、この1年ネイマールは波乱続きだった。昨年の今ごろは移籍先がどこになるかで報道が過熱し、ブラジルのみならず世界中から注目を浴びた。やっと契約が成立したかと思うと、今度はその契約を巡って不正を指摘され、裁判沙汰になるなど自身のイメージにも影響した。しかしリアル・マドリードのオファーを蹴ってバルサ行きを決めたことやメッシを始め、チームメイトたち常にリスペクトする姿勢などが好感を呼び、すぐにチームに溶け込みファンからも熱い声援を受けた。
最初こそベンチスタートが多かったが、周囲の期待もあり、8月7日のタイ代表との親善試合でスタメン出場を果たすと、たちまち初ゴールも記録した。8月21日にはアトレティコ・マドリードとのスーパーカップ決勝初戦で同点ゴールを決めた。結局このゴールのおかげでバルサは同大会で優勝、移籍後初タイトルを手にした。
その後は10月27日のレアル・マドリード戦でのゴール、 12月12日のセルティック戦でのハットトリックなどで強烈な印象を残した。今季ネイマールがバルサの一員として出場した公式戦の試合数は40、プレー時間は2904分だった。その間にネイマールは15ゴールを決め、13アシストをマークした。1月16日のヘタフェ戦で踵を負傷し、そのときも約1か月コートを離れたが、2度の怪我があってもなお振り返ってみると15ゴール、13アシストと申し分ない結果を残しているのだ。それでもブラジルメディアからすれば「不調のシーズン」である。ネイマールはもっとやれる。誰もがそう思っているからだ。ネイマールはファーストシーズンについてこう話す。
「色々なことを学んだシーズンだった。ほかの国から、ほかのサッカーのスタイルから全く新しい状況に来た。プライベートでも、プロとしても順応して、覚えることがたくさんあった。全ての物事にはタイミングがある。神の下では全ての目的のためのタイミングがあるんだ。」。
果たしてネイマールは来季バルサで今季以上の成績を残すことができるのだろうか。ファンは当然15ゴール以上の結果をネイマールに期待するだろう。