元オランダ代表の名選手ヨハン・クライフがW杯を目前にしたブラジル、そしてネイマールに対してコメントを寄せた。普段から厳しいコメントの多いクライフだが、今回もまた例外ではなかった。
ヨハン・クライフのインタビューは以下の通り。
6月のW杯に対しての展望は?
ブラジルが優勝候補であることは間違いない。サッカーのメッカだからね。それはみんな知っている。ただ、社会的なネガティブな運動も行われているね。それはコンフェデレーション杯のときにも起こった(一連のデモ)ことだけれど、あのときにはブラジルのガッツも見ることができた。ブラジルが実際に優勝できるかどうかは分からないけど、事実として南米の大会で欧州のチームが優勝したことはいまだかつてないんだ。アルゼンチン、ドイツ、スペインなどの優勝候補があるけれど、ブラジルが手ごわい相手となることはみんなが警戒している。
ネイマールはコンフェデレーション杯で活躍しましたが、バルセロナではデビューシーズンとしてプレッシャーを背負っています。代表でもその影響があると思いますか。
ブラジルではネイマールはホームだけれど、忘れてならないのはまだ彼が21歳だということ。21歳の少年はまだ大人じゃない。まだまだ覚えなくてはならないことがあるし、24,25,26歳ぐらいまでは成長できる。ただ、バルサで経験していることは彼のためにはなっていない。むしろその逆だ。選手としても、人としてもね。
それはどうしてですか。
21歳の選手がGK(バルデス)の2倍の給料をもらっていたら、ロッカールームがどんな雰囲気になると思う? 例を挙げてみると、あなたが新聞社で何年も働いたとする。そんなときに少年が入社してきてあなたの倍の給料を稼いだとしたら、どんな気持ちになるかね? 21歳の少年を神のような扱いをしてはいけないんだ。
でもそれはネイマールの責任でしょうか。
バルセロナのフロントとの間で起きた大きなミスだよ。彼らが犯したミスに対して今ネイマールがつけを払おうとしている。ネイマールは偉大な選手だけど、このまま腐ってしまう可能性もある。
ネイマールはW杯で巻き返すができると思いますか。
技術的にはいいものを持っているから巻き返すと思う。ただ、それだけの問題じゃない。ネイマールのような選手がロッカールームに入るたびにほかの選手がちゃんと評価されていないと感じてしまうような雰囲気はメンタル的にも解決するのは難しいんだ。なにもこれが初めての出来事じゃない。何度も見てきた。
嫉妬がW杯中にも悪影響を与えると考えているのですか。
彼はまだ若いから影響を与えないでやることもできるだろう。そうあってほしい。ただ、もし悪影響になったら残念なことだ。
オランダについてはどうですか、優勝できると思いますか。
オランダは若い選手で構成されたチームで、技術的にはとてもいい。まずはグループステージを勝ち抜くのが大事。スペインと同じ難しいグループに入った。スペインは決勝リーグに行くだろうし、もう一つの枠を3つの代表チームで争うことになると思う。