ネイマール=「もうキャプテンになりたくない」

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ドイツとの激戦の末、見事PKで勝利をもぎ取ったブラジル。ネイマールはフリーキックとPKの最後のキッカーを務め、しっかりと役目を果たした。ブラジル初の金メダル獲得に大きく貢献した立役者はその重圧を初めて口にした。



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振り返ってみると、リオ五輪開幕からブラジル代表は強い批判にさらされていた。前哨戦だった日本との練習試合でこそ2対0で完勝したものの、いざ本番が始まると南アフリカ、イラクといった格下チームにスコアレスドローに終わり、サポーターやメディアからチームの未熟さに非難が集中した。

ほかの代表チームが何年も前からチーム作りに励む中、ブラジルだけはレギュラーメンバーのほとんどが大会直前に集められていた。そのせいか個人技だけの戦いに終始し、チームワークはボロボロだった。

ネイマールは開幕当初について「難しい時期だった。すごい批判を受けた。だから僕らはそれに対してサッカーで答えを返したんだ」と語っている。

しかしながら予選ラウンド最終戦のデンマーク戦で初得点を挙げると、ブラジルは一気にリズムに乗った。この試合を4対0の勝利すると、続く準々決勝コロンビア戦も2対0で完勝。準決勝のホンジュラス戦は6対0の歴史的圧勝で終えた。

そして迎えたドイツ戦、ブラジルは前半にゴール前でフリーキックのチャンスを得ると、ネイマールが直接これを決めて先制。後半、ドイツも少ないチャンスをものにして追いついたものの、主導権は常にブラジルのものだった。結局、延長でも勝負は決まらず、PK戦にもつれこんだが、そこでもブラジルの選手全員が落ち着いて決めたのに対し、ドイツは最後のキッカーが外し、運もブラジルに味方した。

ブラジルの最後のキッカーはネイマール。最後の最後で再び重役を果たすと思わず男泣き。重圧から解放された喜びと感動が入り混じったのかチームメイトたちと抱き合うと、地面に崩れる場面もあった。

「すごく嬉しい。それだけだよ。ほかになにがあるって言うんだ? 今となっては(サポーターやメディアは)もう僕のことを受け入れてくれるしかないよ」。

大会中、女子サッカーと比較されたこともあった。大会前のインタビューではクラブ通いなどプライベートなことにまで批判は及んだ。ネイマールはずっと傷ついていたのだ。

「みんながプレッシャーを背負っていた。特に彼らはまだとても若い選手なのにね。それでも僕らは自信を持って、立ち上がったんだ。一度は侮辱された人間がやっと立ち上がったんだ」。

また、一選手としてだけでなく、主将としてチームを牽引したことについてネイマールは「もう家族とも話したんだけど、今日からブラジルの代表のキャプテンにはもうなりたくないよ」と、自分には向いていないと話した。

そのうえで「最初から金メダルを獲ることの重要性はみんな理解していた。僕はそんな中でほかの選手たちのチームメイトというだけでなく、アイドル視されていた。最初から特別扱いで見られていたんだ。でも最後はみんなと友達になれた。たくさんのことを彼らと学べたと思うし、彼らも同じだと思う」と、最初は難しい環境にあったと強調した。

一方でそんなネイマールの勇姿を会場から見つめていた男がいる。今大会も陸上で大活躍したウサイン・ボルトだ。ボルトは以前からネイマールのファンであることを公言し、ブラジルを応援すると約束していた。その約束どおり、試合後もこんな素敵な言葉をツイッターに残している。

「ブラジルサッカーチーム、金メダルおめでとう」。