ホンジュラスとの準決勝を6対0の圧勝で終えたブラジル。残すところはあと1つ、決勝のドイツ戦だ。この日ネイマールはPKを含む2得点の活躍。監督のロジェリオ・ミカーレはブラジルの10番に最大限の賛辞を贈った。
ネイマールはホンジュラスの前半わずか14秒で相手GKと衝突しながらも先制点挙げた。このゴールは五輪サッカー史上男女共に最速ゴールとなる。
ロンドン五輪までの最速はメキシコ人のオリベ・ペラルタがブラジル戦で決めた前半29秒のゴールだった。一方、女子サッカーでは今大会にカナダのジャニーネ・ベッカーが開始20秒でゴールを決めているが、ネイマールのゴールはさらに6秒も早いゴールとなった。
そんなネイマールに対し、ロジェリオ・ミカーレ監督は「彼はモンスター級の選手。ネイマールはサッカーの類稀な才能を持ち、人々を魅了するプレーをする。生まれた持って才能を持ちながらさらにそれを発展させた」と絶賛したうえで、「これからもっともっと我々は彼を理解していくことになるだろう。彼は複雑だ。幸せな選手で恵まれている。先週まで批判を受け、大きな責任を背負っていたんだ。どうか彼をリスペクトしてほしい。彼は平均以上の人間なんだから」とコメントした。
ブラジルは今大会5試合して12得点を挙げ、いまだ無失点と攻守ともに最高の状態にある。ブラジルが五輪の決勝にたどり着いたのはこれが4回目(1984年、1988年、2012年)。いまだかつて金メダルを手にしたことのないサッカー王国はついに夢の実現に王手をかけた。
決勝の相手はドイツ。そう、ブラジルが母国開催のW杯で7対1の歴史的大敗を喫した相手だ。ブラジル国民はいまだあのときのことを忘れていない。W杯と五輪では舞台も違うし、メンバーも違う。それでも母国開催で屈辱を晴らす意味は大きい。
ブラジルにとってはすでにコンプレックスともいえるドイツだが、ドイツのホルスト・ルベッシュ監督は「7対1の試合はこのチームとは無関係だ」と、因縁を否定したうえで、「選手たちは若い選手たちで、一度切りの与えられたチャンスで決勝でマラカナンスタジアムでプレーする。この機会を最大限に活用し、祝福するつもりだ」と、大舞台を楽しむとした。
また、ネイマールについて質問がおよぶと、「一人の選手を相手にやるわけではない。チームと戦うんだ。ブラジルは間違いなく、レギュラー選手もベンチの選手もクオリティーのあるチーム。ドイツの選手たちには自分たちの力を信じて、集中してやるように話している。相手を支配し、自分たちのサッカーをするべきだと。それこそが決勝で我々がやることだ」と意気込みを語った。