先日のアメリカ戦(4対1)で途中出場ながら2ゴールを挙げたネイマール。絶好調のストライカーの活躍は喜ばしい一方で、ブラジルメディアはネイマール頼りのセレソンの現状を強く嘆いている。それもそのはずブラジル代表はまもなく始まるロシアW杯予選の最初の2試合をネイマール抜きで戦わなくてはならないからだ。
ドゥンガ監督が代表の指揮を執ってからというものメンバーは常に流動的で攻撃陣は特に様々な選手をテストしてきた。ただ一人ネイマールを除いて。ネイマールはこれまで代表戦67試合に出場し、46ゴールをマークしており、歴代ゴール数では5番目に付けている。これだけコンスタントに結果を出し続けている選手はブラジルには他にいない。
アメリカ戦でもネイマールの存在感は「まるでETだった」と、ブラジルメディアに報じられたほど、飛びぬけていた。落ち着いて決めたPKはもちろん、2点目のゴールもDF2人を交わしたうえで、完全にGKの裏をついたシュートで加点した。さらにチーム2点目となったラファエル・アルカンタラのゴールもネイマールの絶妙なスルーパスが起点となった。まさにネイマールショーとも言える一戦だった。
ネイマールがいるときのブラジルは、ネイマールを中心に試合が組み立てられ、難しい時間帯に直面すると他の選手たちはネイマールにボールを集め始める。逆にネイマールがいないときはドグラス・コスタかウィリアンにボールが集中し、カウンター狙いの単調な攻めに終始する。そんな戦い方でブラジルは世界の強豪と張り合っていくことができるのか、というのがもっぱらの批判の種である。
ドゥンガ監督は今の状況について「ネイマールにはいつも期待できるのはいいことだ」としたうえで、「彼がいないときは他の選手たちが期待に応えている。ただ、ネイマールが話題に挙がると影響が強いだけだ」と、ネイマール頼りだという説を一蹴している。