ネイマールは先日、ブラジルのTV局グローボのインタビューに応じ、リオ五輪の参加について改めて意欲を示した。
グローボ局の人気スポーツ番組グローボ・エスポルチは休暇中のネイマールを取材。コパ・アメリカ、オリンピック、ブラジル代表などについて質問した。
「五輪で優勝することは大きな夢。子供の頃からメダリストたちのことを見てきたし、ブラジルはまだサッカーで金メダルを取ったことがない。僕にとっても、ブラジル国民にとってもそれは夢なんだ」。
ネイマールがリオ五輪に出場するとなればオーバーエイジ枠での参加となる。それについては問題はないが、大きな障壁は所属クラブのFCバルセロナが五輪出場を許可するかどうかである。それについての交渉は8月中にも行われる意向で、すでにネイマールは五輪出場の希望をクラブ側に伝えている。
また、オリンピックの直前である2016年6月3日から26日にはアメリカでコパ・アメリカの百周年記念大会であるコパアメリカ・センテナリオが開催される。ネイマールはこれにも出場を希望している。
「オリンピックとコパ・アメリカ(センテナリオ)の両方に出たい。僕はハングリーなんだ。もうクラブには両大会に出たいという通知を出しておいた。」
常にプレーしたいというのがネイマールのぶれない信念でもある。これに対してバルサがどう反応するかが今後注目だ。
インタビューのテーマがコパ・アメリカに移ると、真っ先に挙げられた名前がフアン・スニガだった。コロンビア戦での1対0の敗北。「退場したネイマールがスニガに放った一言」でも紹介した通り、ネイマールは因縁の相手ともいえるコロンビア人DFと試合中、激しくぶつかり合い、ときには罵り合った。
そんな相手についてネイマールは、「スニガは自分にとって重要な存在ではない。試合中言い合ったりしたけど、それは彼がペナルティーエリア内で僕を殴って来たから。だから彼に言ったんだ。後で謝罪するために電話をかけてきなって。彼は友達じゃない。ライバルだからね」と、敵チームの選手との関係性について語った。
最近ではネイマール一人に頼ることの多いブラジル代表だが、それについては次のように語っている。
「僕は同じ年代のほかの選手とはまた違った状況にいると思う。けれども他の選手たちもクラッキ(名選手)だし、高いクオリティーを持っている。だから落ち着いて自信を持って欲しい。僕だって代表に入ったときにはすごい選手として入ったわけではない。信頼を勝ち取らないといけなかったし、自分のポジションも奪わないといけなかった。もし彼らがそのタイミングさえ見つけられれば上手くいくと思う。この世代は偉大な世代だからね。
だから自分だけがクラッキだなんて言われると、僕はいつも否定してるよ。ブラジル代表の質の高さは自分でも理解しているし、世界中にいるブラジル人選手の上手さは知っている。彼らがどんなことをできるかも分かっているからね」。
とはいえブラジル代表においてネイマールに降りかかる責任の重さは尋常ではない。実際にネイマールが好調のときはブラジルはほとんど負けない。それに対しネイマールが欠場する試合では勝率が一気に落ちる。自分がチームを背負っているというそんな状況をネイマールはこう語る。
「(注目されるようになった)13歳ぐらいのときから自分には責任があったし、それが大きいか小さいかは関係ない。自分はいつも同じようにやるし、最大限自分を捧げるつもりだから。もちろんアドリアーノとか、ルイス・ファビアーノとか、カカとか、ロナウジーニョとか、ロビーニョなどの選手たちがいた頃の代表を懐かしく思うときもある。チームは大きく変わってしまったからね。ブラジルは入れ替わりが激しい。一つの大会で負ければ、選手は全部入れ替わってしまう。(W杯で)7対1で負けたことがチームを壊してしまったんだ。」
また、質問はブラジル代表歴代得点ランキングでネイマールが現在5位に付けていることに及んだ。それについてのプレッシャーはどう感じているのだろうか。
「(重圧から)逃げることはできない。もし知らん顔していたら、逃げていることになる。僕は自分が(ブラジルにとって)どんな選手になったか分かっているし、自分が追い求めている目標に到達していっていることも知っている。それについては幸せを感じるけど、ここで止まりたくない。まだまだ代表に貢献したいし、ゴールを決めたい。W杯を優勝することは大きな夢。最後までできる限り頑張りたい。実現したいんだ。最後にブラジルでW杯を優勝した偉大な選手といえばロナウドやカカたちだけど、(当時)チームの中では彼らはまだ若い選手だったし、ほかにもっと経験豊富なベテランがいた。
そんな選手たちの存在が不足しているわけじゃないけど、彼らはブラジル中が求めている選手だったし、現在までプレーしていてもおかしくない選手たちだった。僕はファンとして彼らがいないブラジル代表に対して寂しい思いになることがある」。
ネイマールは30日にも長い休暇を終えてバルサと合流した。初日はメディカル・チェックのみだったが、まもなく新シーズンに向けて本格的に始動する。すでにリーガ、チャンピンズリーグ、国王杯を制した23歳は今後どんな活躍を見せてくれるのだろうか。クラブ、代表共に新シーズンのネイマールに期待だ。