ブラジル対コロンビアの試合は死闘とも呼べる削り合いになった。特にコロンビアから警戒されたネイマールはDF陣の強いチャージに遭い、途中鼻から出血するほどだった。完全に行く手を阻まれ、思うようなプレーができないネイマールの怒りは爆発。試合後は口論から乱闘騒ぎに発展するなど、なんとも後味の悪い試合となった。
結局ネイマールは試合後にレッドカードを受け、次戦のベネズエラ戦は出場停止に。場合によってはブラジルが決勝トーナメントに進んでも出場できない可能性もある。この日、ほぼマンツーマンに近い形でネイマールのマークに付いたのはコロンビアDFのスニガ。そう、ブラジルW杯でネイマールを骨折させた張本人だ。
ネイマールとスニガはW杯のときと同じ、あるいはそれ以上に体をぶつけ合った。試合中にどちらかが相手の体を押したり、顔を叩いたりしても審判は止めることすらしなかった。イライラが募ったネイマールはスニガに対して電話をする仕草をしてこう言った。
「後で謝罪するために電話しな。この野郎が!」。
「謝罪」とは、W杯でネイマールが腰骨を骨折したことを知ったスニガが後日電話で謝罪したことを指している。ネイマールからすれば「あの謝罪はなんだったんだ」という気持ちだったのだろう。しかしスニガからすれば誰になんと言われようと、自分のチームのゴールを死守するのが使命であり、そのためには一歩も引くことはできない。試合中の二人のやり取りはTVカメラに収められており、さっそく動画がネット上に出回っているが、乱闘も覚悟の上で選手同士が闘志をむき出しにして戦う姿が南米におけるコパ・アメリカの重要性を表しているようである。